筋肉を増やす為には、自分の限界に挑戦するハードなトレーニングと、十分なタンパク質を含むバランスのとれた食事、そして1日の消費カロリーを上回るカロリー摂取が必要になります。しかしこれを続けていると、筋肉と同時に脂肪も増えてしまいます。なので、定期的に脂肪を減らす減量期を設ける必要があります。
この減量期も、色々とポイントがあります。基本はやはりトレーニングと食事です。簡単に言うとハードトレーニングを続けつつ食事を制限する事で、筋肉を極力減らさず、脂肪のみを減らす事を狙います。大切なポイントを押さえたほうが効率が上がりますので、今回は減量期に押さえておきたい細かいポイントについてお伝えしています。
何はともあれまずは目標設定
減量するにあたり、まずは目標を設定する事が大切です。これに関しては関連記事も参考にしていただきたいのですが、目標というゴールが無いと漫然とした取り組みになりがちです。そして漫然とした取り組み方ではほとんどの人は続ける事ができません。まずは下記を参考に目標設定してみましょう。
ビジュアル目標、数値目標をしっかり決める
増量期には扱うウェイトが増える楽しみがありますが、減量期に扱う重量が増える事は基本的にありません。減量期の楽しみは余分な脂肪が減って、見た目がスッキリしてくる事です。ここをメインに目標を設定すると効果的です。
ビジュアルに関しては自分のなりたい体をプリントしたり、そうなった自分をイメージてみる事が効果的です。
数値に関して、特に大切なのは体脂肪率です。だいたいの目安として、10%を切るとスッキリした見た目になります。ただしあまり絞りすぎると人によっては気持ち悪く感じるようです。コンテストに出るのでなければ7~9%くらいで留めておくのが無難です。
期限を決める
目標を立てたら、それをいつまでに達成するかという期限も決めましょう。これによってダラダラと先延ばしにする事が防げます。
記録をとる
日々の記録をとって、進捗状況を把握していく事も大切です。また、この記録は次回減量する際の貴重なデータになります。人間の体は個体差が大きいので、自分の体でとったデータはが一番役立ちます。是非とっておきましょう。
減量期のトレーニング
減量期のトレーニングメニューに関しては、増量期とあまり変わらない場合が多いです。
ただ、意識の上では違ってきます。一番大きな違いは、増量期は筋肉を増やす事メインでトレーニングしますが、減量期は「筋肉を減らさない」事がメインになります。
減量期のウェイトトレーニング
減量期とはいえ、ウェイトトレーニングは基本変わりません。増量期と同じ強度のトレーニングを行います。これによって脳に「筋肉を減らしたらヤバい」と思わせる事で
筋肉を減らさないようにさせます。
ただし、体質にもよりますが、減量期は筋量、筋力共に減りがちです。そこで無理してウェイトを維持しようとすると、怪我につながります。「可能な限り」扱う重量は維持しつつ、どうしても無理ならウェイトを減らす勇気も時には必要です。
有酸素運動は必要?
減量期に有酸素運動をするべきかどうかは人によって意見が分かれるところです。個人的にはやりますが、正直どちらでもいいと思います。有酸素運動はやらなくても減量できますが、やったほうが早く減量できます。あとは好みです。有酸素運動ならではの楽しさ、爽快感もありますからね。
ただ、減量期にいきなり走るのは避けたほうが良いと思います。体重が増えているので急に走るとヒザに負担がかかり、最悪痛めます。まずはウォーキングから慣らしていく事をおススメします。
個人的におススメなのはステップ運動(踏み台昇降)かエアロバイクです。この二つは変な衝撃がないのでケガしにくいですし、室内の少ないスペースでできます。
減量期の食事
減量期の食事というと、ストイックな食事制限を想像するかもしれませんが、実際はそこまでキツイものではありません。というか、キツイ食事制限は筋肉を減らす原因にもなりかねませんし、変にストレスが溜まるので続きにくく反動で食べ過ぎたりしやすくなります。変に無理せず、自分のペースでゆっくり減量していく事が大切です。
アンダーカロリーにする
筋肉を増やすのにオーバーカロリーが必要なら、脂肪を減らすのにはアンダーカロリーである事が必要になります。1日に消費するカロリーは、男性の平均が2130kcal、女性は1660kcalです。とはいえこれは特に運動をしない場合です。ハードな筋トレをするなら3割増しくらいのカロリーを消費します。自分の1日の消費カロリーの目安がわかったら、それより低いカロリーになるよう、一日の食事計画を立てます。
食事回数は減らさない
増量期に3時間おきに食事(間食含む)をしますが、減量期もこのリズムはキープします。ただし、内容が同じであれば減量にならないので、栄養バランスは保ちつつ、全体的にカロリーを減らしてアンダーカロリーにします。
炭水化物や脂質を極端にカットする減量もありますが、これは疲労の蓄積やホルモンバランスの乱れにつながるので、おススメしません。
タンパク質は減らせませんので、炭水化物を少なくしたり、動物性脂質をカットして魚介や植物系脂質に変える事で、カロリーを制限するのがおススメです。
どのくらいアンダーカロリーにするかは体質により変わります。まずは300kcalくらいから始めて、まずは一週間ほど様子を見ましょう。特に体調不良や倦怠感が無ければもう少し減らしても大丈夫です。
焦らずゆっくり
初めての減量期では、つい早く絞りたい気持ちから、焦って急激なカロリー制限をしてしまいがちです。
しかし、急激なカロリー制限は心身の不調につながります。まず、急に摂取カロリーが減ると、体が慣れていない為、最初に免疫系に回すカロリーがカットされます。すると当然風邪などをひきやすくなります。
また、ホルモンバランスも崩れてしまうので、訳もなく憂鬱になったり、弱気になる場合もあります。カロリー制限をする場合は、ゆっくり少しずつ減らしていく事が大切です。
チートディを作る
減量期もある程度進んでくると、どうしても停滞期がやってきます。これは低カロリーの食事に体が適応して、低カロリーで日々の活動を賄える、いわば燃費がよくなってしまっている状態です。
これを打破するにはさらにカロリーを下げる事も選択肢の一つですが、あまりカロリーを減らしすぎるのもよくありません。そんな時にあえて1日だけオーバーカロリーの日を作るのが、「チートディ」です。
「チート」というのは「だます」という意味ですが、このチートディにオーバーカロリーにする事によって、「このカロリーでやってかないといけない」と思っている体に、「まだ余裕あるよ、脂肪減らして大丈夫だよ」とだますのです。
これは実際に効果がありますし、減量期の息抜きにもなります。ただし、あまりにハメをはずして好き放題食べると、チートディの翌日も食べ過ぎる結果になってしまいがちです。あくまでも減量の為の1手段として、活用するに留めましょう。
その他のポイント
しっかりとハードトレーニングを続け、食事、カロリーをコントロールできれば、脂肪は減らせます。ただ、他にもいくつかポイントがあります。
季節も考慮する
「冬になると太る」という人は結構多いと思いますが、これにはきちんと理由があります。というのも、冬が近づくと体は低温から体を守る為に、脂肪を蓄えて保温効果を高めようとします。
なのでこの時期は体は合成優位になり、食欲も旺盛になります。この時期はこの性質を利用して、増量するほうが合理的です。逆に秋から冬にかけて減量するのは、相当な意思の強さが必要になります。
春先頃からは体が夏に向けて脂肪を減らそうとするので、減量に向いています。こうした季節毎に変わる体の傾向を利用する事で、余計なストレスもかかりにくくなります。
ビーチで裸になったり、薄着になったり、夏に向けて絞りたい人は多いです。なので冬は増量と割り切り筋肉をしっかり増やし、春先からじっくり減量して夏までに仕上げるのがおススメです。
増量期に脂肪を増やしすぎない
減量期の後には当然また増量期がきますが、増量期に脂肪を増やしすぎてしまうと、来年の減量期が長引きます。減量期と違い、好きなだけ食べられる嬉しさは私もよくわかりますが、ある程度節度を持ち、脂肪を増やしすぎない事も大切です。
まとめ
減量期に大事なのはハードトレーニングと人によっては有酸素運動、バランスの取れた食事でカロリー制限する事です。
とはいえ、一番大事なのは「無理をしない」という事です。何事も無理は続きません。やる気の低下やケガの素です。目標も大事ですが、特に初めての減量ではうまくいかないのが当たり前くらいに考えて、今回得た教訓を来年の減量に活かすくらいの気持ちで楽しくやりましょう。